日本人よ目を覚ませ-2
アメリカから帰って直ぐにその脚で介護予防講演会に行きました。会場は60~80歳代の女性経営者が主体で充実した講演が出来ました。 当日彼女達のバイタリティーと、理解力に驚かされる連続でした。現実を自分の力で生き抜いてきた女性経営者の思考の凄さを垣間見た瞬間でした。一番驚いたのは何が重要で何をすべきであるかと言う物事の順番に対する理解力の素晴らしさでした。
今回のアメリカ訪問での講習会の事、震災における政府の対応の事など、現実を生き抜いてきた女性経営者にとっては、何が真実で何が間違いであるかと言う判断の早さと、見分ける為の思考は現在の筋トレ界の指導者クラスとは比較にならないものでした。
私の講習会で実際に良くある質問や感想の中で、 『インナーマッスルを鍛える事は重要だ。』などと発言したり、聞いたりしてくる人が多くいます。 しかし、いつも私の返答に全ての質問者や発言者が言葉を失います。それは『インナーマッスルって何筋でそしてその働きは何』って私が聞き返すからです。 私は38年間筋トレだけを研究していますが、今までその様な筋肉に出会った事など無いし、インナーマッスルなる筋肉の定義や総称を聞いたことがありません。
人間の動作は骨格を動かす筋肉である『骨格筋』で形成されています。その骨格筋の定義は骨格に直接付着し、骨格を直接動かす筋肉の事です。その定義からすれば骨格の動きを向上させる筋トレにおいてインナーもアウターも存在しません。 そしてそれらの発言をした人から、インナーマッスルはこれだという筋肉の名称すら聞いた事がありません。単に自分の思い込みと、流行言葉に対するニュアンスだけで話しているだけで、その動作における根拠など皆無なのです。その様な人は、筋肉可動における自立呼吸との関係などにおいても全くいい加減で根拠や理由すら無いものです。
もし、今回の女性達にそんな発言者がその様な言葉を使ったとしたら、それは何ですか?と直ぐ聞かれるでしょう。 そんな言葉を使う人間は、彼女達に直ぐに見破られてしまう事を気付かず、思い込みでいい加減な事と嘘を堂々と話してしまうのが目に見えるようです。
彼らは専門者の私には通用しなくても、素人には通用してきたので使ってしまうのです。それが通用してきたのは、彼女達より若い現実を背負わなければならない世代の日本人であり、その人達の思考が無いからです。 筋トレを知らずとも、一心不乱に現実を自分の思考で生きてきた彼女達に通用するはずは無いのは当然と言えますが、ただただ悲しい限りです。
多くの人が今日の日本の首相がバカな発言をしている内容について、気付いていないのでは無いでしょうか? もしもこの様な単純な事に気付いていなければ自分の思考は無いと思った方がよいでしょう。 それは下記の記事の内容です。
「なんとしても、この原子力事故によって家を離れなければならなくなっている皆さんが、1日も早く自分の家に戻れるように、政府として全力を挙げなければならない」
この様なバカな事を言う人間が日本の代表では悲しすぎます。
これは現在避難している住民において、現在の状況を無視した発言以外の何物でもありません。 今全力を挙げてすべき事は、現状の生活を快適にしてあげる事、当面のお金の支給、充分な補償の約束である事は明白な事です。 この様な事を無視し、この様な発言を平気で出来る思考力。そしてその発言で避難民の現状が物理的にも精神的にも、どうにもならない事を解かっていない事です。 まして、これらは突然の天災の対処ではなく、ハッキリと出来る事でもあります。
たとえば政府が全国のホテルを貸し切り、空いている全国の公務員の官舎を利用するなどの対応。 また、資金においては政府が東電に借金を強制的に負わせて肩代わりして支払えば、完全な補填元のある優良な負債となります。それは東京電力という、絶対に赤字の無い電力企業だからです。いくら長期になろうが完全な融資になり、全ては東電から回収出来ます。 そして現時点では土地の売買とは何ら関係の無い保証金の形をとれば、資金的には充分行なえるはずです。また、今後世界的に融資銀行を募る手段もあります。
少なくとも上記とは方法は違えど、行なうべき順番は間違いなく、避難民の現状を改善することに変わりはありません。原発事故の処理と、避難住民の対処を同じ様に考えるのは全くの間違いである事は誰にも解る事です。このような優先順位の思考の無い人間を総理大臣と呼べるのでしょうか?
今すべき事をこの様なバカな事を言っている人間に正常な思考が存在するのだろうか?
そしてこの様なバカな事を平気で聞き入れ垂れ流しているマスコミは一体何なのか?
本来のマスコミとは、民間の声を代表するべき機関ではないのか?
今この様なバカな事を言っている場合ではない。事故現場の処理と、避難民における対応は全く関係ないと、何故マスコミは国民に訴えないのだろう。
それはマスコミを見ている人間の思考力の問題でもある。テレビが言っていた事は正しい等と思考を失っている日本人が多いからでもあるのです。
日本人が戦後立ち直り、高度成長を遂げた時とは全く違う事に当事者である日本人が気付いていない。自分達の思考が欠落している事に気付いていない。
一人でも多くの日本人がこの様な思考の欠落に気付いて欲しいと願う。
日本よ目を覚ませ
誰もが私に今回の地震のことではげましてくれます。『日本人は大丈夫だ。』と。
しかし、それは残念ながら間違いです。海外から見た日本は高度成長をさせた日本人であり、現在のその成長した産業にぶら下がって就職した日本人ではありません。
その証拠に成長させた日本人が引退する毎に、どんどん日本の産業の成長は低下しています。これは明らかに人の変化以外の何物でもありません。
この高度成長を支えた日本人は同時に、日本人の世界に対する信用も支えてきました。その信用が『日本人は大丈夫。』と世界に思わせているのです。
しかし、現実はそうではありません。現在の多くの日本人は受験戦争の名の元に大企業にぶら下がろうとする集団であり、よりおいしい血を求めるダニの様な思考を良しとする集団ともいえます。
高度成長時代においては学業よりも、より早く就職する人間を金の卵と呼び、実際にそれら就職者がその成長を支えてきました。そして政治に対しても目を光らせ、何かあるとデモをし声をあげました。しかし、現在ではどうでしょう。
政治家があからさまにテレビで嘘の公約をしてもデモは起こらない。逆に本人の口で直接言ってもしないことをテレビでそれらしく流すだけで、選挙の票数が変わる。
こんな人間が、今の政府は駄目だとか総理大臣は、、、などという権利は無い。
何故ならばこんな人間が今の政府を作ったからだ。その政府を自分のいい加減な思考で作った事に気付かずに、まるで政府が自分の一票によって作ったことなど何処吹く風である。
そして就職した社内では、自分は何処の大学を出たなどと言う事がプライドになったりしている。しかし、高度成長をさせた多くの企業の創設者はどの大学も出ていない。自分の学歴で胸を張ることが、いかに恥じる事である事に気付いていない。過去から現在まで、偉人と呼ばれた人や成功者が学歴で就職して成功したなどとは聞いたことが無い。自分を惨めで小さい何も出来ない人間と言っているのに等しい。
そんな人間が、自分はこんな大学を出ているのに認められないなどと文句を言う。そんなもの自身の価値と何の関係も無い。その関係ない事に気付いていない自分自身の頭の悪さに気付いていないのだ。
人間の価値は、何が出来るかであり、それをどうすべきかにおける行動で決まる。それ以外のなにものでもあるはずが無い。
今の多くの日本人にそれがあるだろうか?残念ながら答えは、『無い』である。
海外で『日本人は大丈夫。』と信頼されたのは、現在の日本人ではないことは明白なのである。
私は、現在の日本人の思考のままでは『日本人は大丈夫じゃない』と思う。
今回多くの人々が犠牲になった。それは非常に痛ましく悲しいことだ。しかし、その事で多くの日本人が目を覚ますチャンスを与えて貰ったのだ。
この機会に、自分は何が出来るのか?どうすべきなのか?を自分の思考で考えて欲しい。
そして今一度、『日本人は大丈夫。』と言われた日本人の信頼と力を取り戻して欲しいと思う。
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